会長挨拶

 第46回日本小児内分泌学会学術集会を、平成24年9月27日(木)~29日(土)大阪国際会議場で開催いたします。皆様のご支援によりまして順調に準備が進んでおりますが、当日、有意義な学術集会となるよう、よろしくお願いいたします。

 学術集会の生命線はプログラムにありますので、全国の評議員の先生からなるプログラム委員会を立ち上げ、本学会の運営に関しご意見をいただきました。その結果、最近の小児内分泌学分野の発展はめざましく、学術集会には教育の場としての役割も要求されるようになってきているところから、複数会場制を取り入れる事になりました。複数のプログラムが同時進行となるため、聞きたい発表を聞く事ができないかも知れませんが、口演発表を多くする事が可能になりましたので、発表を詳しく聞く機会が増えると解釈していただければ幸いです。

 また、症例から学ぶという私たちの姿勢を明確に示すために「とっておきの症例」というセッションを設けました。一般演題が最も重要でありますので、口演では、優秀演題賞候補発表、一般口演の他、査読点数が高かった高得点演題口演を設けました。ポスター発表では、従来のSOP を若干延長して、質疑応答のみを口演会場で行うようにしました。これも初めての試みで、狙い通りいくかどうか不安ではありますが、制限時間内の活発な御討論をお願いいたします。優秀ポスターは会期中に選ぶのではなく、抄録から選定させていただき、発表の場として優秀ポスター枠を設けました。

 さらに、特別企画「DSDをめぐる諸問題の解決をめざして」を催します。特別企画としておりますのは、本テーマに関心のある医療関係者にこのセッションだけの参加も認めるためです。また、公開セミナーは、私が力をいれている活動の1 つであります、がんのこどもたちを守るために、夢の診療施設「チャイルドケモハウス」との共同企画で「がんになっても笑顔で育つ!―内分泌学の観点から―」と題して行い、患者さんやご両親が参加する予定です。

 これらの新企画を含めて、2つの特別講演、4つの海外招聘講演、2つのシンポジウム、4つの教育セミナー、12のとっておきの症例、10の優秀演題候補、8の高得点演題、48 の一般口演、44の優秀ポスター、198の一般ポスター、1 つのイブニングセミナー、6つのランチョンセミナーと盛りだくさんになりました。懇親会も大阪らしい工夫をしておりますので、ぜひご参加ください。いろいろと初めての企画があり、不慣れでご迷惑をかけるかもしれませんが、ぜひ、皆様の力を結集して、この分野の底力をみせましょう。

 小児の特徴は、成長する事と発達する事にあります。成長を支えるには、いろいろな側面があり、内分泌機能は大きな柱です。毎日、大きくなるというのも驚きですし、最終的な大きさがある一定の幅に収まるというのも驚きです。このような新鮮な感動を大事にしたいという願いから、本学会のテーマは「成長の不思議をみつめる」といたしました。このような趣旨のもとに開かれます本学術集会で、皆様にお会いできる事を楽しみにしております。

会長 大薗 恵一 平成24年8月吉日
第46回日本小児内分泌学会学術集会
会長 大薗 恵一

(大阪大学大学院医学系研究科 小児科学)

 



第46回 日本小児内分泌学会学術集会を開催するにあたり

 この度、平成24年9月27日(木)~29日(土)に大阪国際会議場で開催されます第46回日本小児内分泌学会の大会長を務めさせていただくこととなりました。この分野の発展に貢献できるような有意義な学術集会となるよう努力する所存ですので、よろしくお願いいたします。

 内分泌系は、神経系と並んで、生体の2大調節系であり、様々な状況に応じて生体機能を一定に保つ、すなわちホメオスターシスのための基盤装置です。このため、アクセルとブレーキに相当するホルモンを巧妙に使い分けできるように設計されております。この破綻が内分泌疾患をもたらすことになりますが、病気をコントロールするためには生命機能の理解から始める必要があります。

 小児の特徴は、成長する事と発達する事にあります。成長を支えるには、いろいろな側面があり、内分泌機能は大きな柱です。毎日、大きくなるというのも驚きですし、最終的な大きさがある一定の幅に収まるというのも驚きです。このような新鮮な感動を大事にしたいと思い、本学会のサブテーマを「成長の不思議をみつめる」といたしました。自然に満ちあふれている不思議に触れた時の幼い頃の感動を思い出してみてください。

 日本小児内分泌学会の特徴の一つとして、国際性があげられると思います。海外の一流の先生との交流は、この分野の発展のために不可欠です。本大会も、European Society of Pediatric Endorinology(ESPE)から、特別講演演者の推薦を受けておりますし、他にも海外からすぐれた研究者をお呼びしようと考えております。

 小児内分泌学は広範な領域を有し、その発展も速やかであるため、全体にわたって学ぶ事が困難になってきていると思います。そこで、学会が、若手医師や他領域の専門家にとっても学びの場になる様、教育セミナーを多く取り入れたいと思っています。さらに、私たちは、症例から学ぶ事が多いですし、その症例を今まで以上によくしたいという気持ちが、日々の活動の原動力となります。一般演題とは異なった形で、症例から学べるようなセッションも取り入れたいと思います。

 私自身、小児内分泌の分野がますます好きになっておりますし、この分野のおもしろさに触れる若い医師が、一人でも増える事を願っております。ともに小児内分泌学を学び、熱く語り合いましょう。

平成23年10月吉日
第46回日本小児内分泌学会学術集会
会長 大薗 恵一

(大阪大学大学院医学系研究科 小児科学)